M26 パーシング
【M26パーシングとは】第二次大戦末期、M4シャーマン戦車の後継車として、そしてドイツ軍のタイガーやパンサー戦車と対等に戦える初のアメリカ軍戦車として登場したのが、M26パーシングです。パーシングは1945年2月からヨーロッパ戦線に送られ、ドイツ本国への進攻作戦に出動。ライン河にかかるホーエンツォレルン鉄橋をめぐる戦いで初陣を飾り、タイガーI や IV号戦車とも砲火を交えました。さらにレマーゲンのルーデンドルフ鉄橋争奪戦でも大きな働きを見せたのです。1945年5月のドイツ降伏までに約200輌が実戦配備されたパーシングは、激戦の続いていた太平洋戦線にも送られました。そして第二次大戦終了後の1950年6月、東西両陣営の対立が深まる中で朝鮮戦争が勃発。1953年7月まで続いたこの戦いにもM26はM4A3E8イージーエイトやM46パットン戦車などと共に国連軍の主力戦車として投入され、ライバルとなった北朝鮮軍のT34/85戦車を圧倒する強さを見せました。M26は1944年11月から1945年6月まで計1,190輌の生産数を記録。M3型50口径90mm砲による攻撃力と最大装甲厚127mmという防御力のバランス。そしてフォードGAF液冷ガソリンエンジンとトーションバーサスペンションを備えるすぐれた機動力。M26の高い基本性能やデザインは、その後のM46やM48、M60へと継承され、世界最強と言われるM1エイブラムス戦車へと発展、現代のアメリカ戦車の基礎を築き上げたのです。